映画とどこかまで行こう

主に観た映画の感想を。新作・旧作、劇場・DVD鑑賞混じります。時々テレビドラマも。

映画

2016年映画ベスト

鑑賞順 サウルの息子 ルーム 光りの墓 緑はよみがえる ディストラクション・ベイビーズ クリーピー シング・ストリート シン・ゴジラ ソング・オブ・ザ・シー みかんの丘 『サウルの息子』はつらくてもうたぶん二度と観ないだろうけれども、主観的な視野を映…

恐くて面白かった『クーデター』のやや水っぽい感想

Twitterでの評判が良く、「下手なホラー映画より恐い」等のコメントに興味を持って、全くノーマークだった『クーデター』を観た。 東南アジアの架空の国に、そこで新たな職を得たアメリカ人男性とその妻、小さな二人の娘たちが入国。しかしその直後に政変が…

ジュラシック・ワールドを観てたらフレンチアルプスで起きたことを思い出した話

『ジュラシック・ワールド』は楽しく観た。恐竜恐い!可愛い!そこでお前が持ってくか!頑張れ子供たち! …まあそういった件については、語り尽くされているだろうから置いておいても大丈夫と思う。 基本的にちょっとキャラクターの感じが古風で。くるんくる…

フレンチアルプスで起きたことと起きなかったこと

『フレンチアルプスで起きたこと』を観た。 "カップルで観ると非常に気まずくなる映画"と銘打っており、映画館ではそれでも敢えて観る勇気あるカップル向けに「カップルチャレンジ割引」まで提供していたりする。 前情報として得ていたあらすじはこう。 とあ…

『人生スイッチ』を観たよ

アルゼンチンでアナ雪を超える大ヒット、歴代興収新記録、製作がアルモドバル、驚愕と爆笑の渦に襲われる…とのことで、なんか凄そうなので予告編も観ずに出かけた。 始まってみたらオムニバスだった。愉快な小話集ですかね、なるほど。 各ストーリーとコメン…

『サイの季節』を観た

イラン革命時に不当に逮捕され、拷問を受け、30年近く投獄された詩人の物語。釈放後、彼は行方が分からなくなった妻を探すが…という粗筋だけで、もう切ない展開になるのは目に見えている。 二人の間に影を落とし続けるのが、かつて妻の実家で雇われていた運…

今年前半の何本か、まとめ

アメリカンスナイパー 実話ということを差し引いても、もっとドラマチックに描くこともできたと思う。 例えば、何か一つの目標を設定して達成するまで(強敵を仕留めるまでとか)を描くとか、何か印象的なトラウマポイントを作り(子供を誤射してしまうとか…

君が生きた証

「学内の銃乱射事件で息子を亡くした父親が、息子の遺した音楽を作者を明かさず演奏するようになり人気を博すが、バンドの仲間に秘密がバレてしまい…」という話と認識して観た。予告編では、また心の傷を音楽で癒す系の話か…とちょっと食指が動かなかったの…

きっと、星のせいじゃない

原作を読んでから出かけた。難病ものとはいえ、キャラクターや会話がとても生き生きしていて、「お涙系」とは一線を画した魅力がある作品。主人公ヘイゼルのボーイフレンド、ガスは「自分内フィクションの中の素敵なボーイフレンドランキング」上位に来ると…

トーキョーノーザンライツフェスティバル2015

観た物をメモ ミカエル 1924/ドイツ/カール・ドライヤー/サイレント/ピアノ伴奏付き(恒例の楽しみ) 老画家と若いモデルもの。老人は美しい若きモデルにひたすら与えられるだけのものを与え、何があっても許し、対してモデルはそれを欲しいままにしなが…

みんなのアムステルダム国立美術館へ

映画『みんなのアムステルダム国立美術館へ』予告編 - YouTube 前作で工事中断グダグダのまま終わった、そこから始まるのではなく、少し話はだぶらせてあった。 いちばん大きな問題は、入り口の設計について、サイクリング協会から問題視され、設計のやり直…

ビッグ・アイズ

ティム・バートンと言えば、描くキャラクターの大きくて哀しい目。大きな哀しい目つながりの題材。 長い間精神的に虐げられる話だろうと覚悟して観に行ったけれど、思ったよりも見ている側が感じるストレスは少なくて、諸々はさらっと流れて行った。ちょっと…

凶悪 :ポスター最恐

山田孝之が好きなので、出演作はとりあえず観る候補に入れる(これを山田枠と呼ぶ)。しかも本作はピエール瀧とリリー・フランキーが世にも恐ろしい犯罪者を演じるということなので、ずいぶん前から楽しみにしており、なるべく内容の情報を入れないようにし…

地獄でなにが悪い:園子温ふたたび

この監督さんの作風はクド過ぎて、それが魅力にも欠点にもなる。 『ヒミズ』を観た時にはむっかついて、この程度の代物で震災直後の被災地に来んなよばかばかばかばか(私は東北人ですんで)、この監督はしばらくいいや、と思ったものの、それから1作おいて…

クロニクルった

ツイッターで評判が良かったし、都内限定公開1000円だというので、カケラも知識を入れずに行ってみた。いつ行っても1000円ていいよね(Tohoはネット予約時に楽天のポイント使えるのもいいよね)。 予告編もチラシも未見で基本設定すら分からない。映画が始ま…

サイド・エフェクトをなるべく情報を入れずに観た

「なるべく前情報を入れずに観に行くと良い」という前情報により、チラシをさっと観た程度で臨んだ。「新薬で鬱治療中の患者が殺人事件を起こす。果たして副作用なのか?」という話か?…程度のスタンスで鑑賞。予告編↓も観ていなかった。 『サイド・エフェク…

世界にひとつのプレイブック: Silver Linings Playbook

そもそも邦題がぴんとこなかったので、原題は一体どんな意味なのかと調べた。Silver Liningは「銀の裏地」…で、↓このようなものを指すらしい。転じて、「希望の兆し」とか「物事の良い面」という意味になると。 Playbookはスポーツチーム、特にアメフトの作…

夏の終り:映画と原作

予告編で感じた通り、映像はとても綺麗な作品だった。しっとり濡れたような美しい陰影。古びた日本家屋や曲がりくねった路地。型染めの文様。満島ひかり、小林薫、綾野剛という3人の役者さんもそれぞれ良い演技をしていたし、綺麗に撮られてもいた。音楽も…

怪獣・ロボット愛はなくってもパシフィック・リム

週末時々、自転車で30分くらいの所にあるシネコンにレイトショー観に行く。 週末のレイトショーだから、どーん!と楽しい、帰って良く眠れそうな奴がいい。 かくしてパシフィック・リム。特に特撮やロボットアニメに思い入れはないけれど。ところで本作、な…

なんだかんだと『風立ちぬ』は観に行った

さて『風立ちぬ』。TOHOシネマズで映画終演後に4分の予告編を観せられるという仕打ちに遭い、その時点ですっかり観る気は失われていた。 確かに綺麗な映像なのだが、「みんなジブリ好きでしょ?映画館来た人に特別に観せてあげるね?嬉しいでしょ?楽しみで…

箱入り息子の恋(ネタバレしてます)

源ちゃん早く元気になるといいな。 それと夏帆は最近とてもいい。「ヒトリシヅカ」の悪女も、「みんな!エスパーだよ!」のガサツでエロい女子高生もめっさ魅力的で、ほんわり美少女ってだけよりもずっといい。 …ということで観に行った。予告からきっとほの…

第七の封印

シリーズ懐メロ。 高校生の時に一度観ている。その時は監督の名前も知らず、単に死神とチェスをしているスチールを見て「かっこいい!」と思ってビデオを借りた。死神の画は実に格好良かった。そして意味も何も考えなかった。 当時はそんな風に、前情報も知…

シャニダールの花&嘆きのピエタ

『シャニダールの花』 女性の胸に寄生して咲くシャニダールの花を巡る物語。すごく懐かしい感じがした。こういう、ちょっと不思議な設定の、雰囲気があって映像が綺麗で役者さんがオシャレで、でも物語が中途半端なSFって、昔よくあった気がする。そしてとて…

ノーザンライツ2013まとめ その2

『密書』 1914年のサイレント映画。柳下美恵さんのピアノ伴奏付き。 (たぶん)生演奏付きサイレント映画鑑賞は初めて。素晴らしかった…。 セットも映像も美しく、特に風車の下の人影や、窓辺で着替える男の子のシルエットは忘れ難い。密書に関して無実の罪…

ノーザンライツ2013まとめ その1

久々のブログ更新。今年こそもっと!(と毎年思う) とりあえず毎年楽しみにしているこの企画の、今年観た物を記録。 『チャイルド・コール』 「心理迷宮ミステリー」ということで鑑賞。はじめ、主人公が何かに巻き込まれてゆくのを見守っていたつもりが、途…

新年初DVDは裸のおじいちゃん集団に追いかけられる映画:『レア・エクスポーツ』

年末にツタヤディスカスから借りて放置していたのを今頃観た。 北欧初、サンタクロースを題材にしたブラックコメディ…というような認識だったのだが、これはホラーコメディ? ホラーによくある「封印されていた邪悪なものを掘り出してしまい、災いが訪れる」…

2011年映画ベスト10

よかった順ではなく、あくまでも鑑賞順。 『その街のこども』 テレビ放映時にも繰り返し観たものだけれど。 子供の時に阪神淡路大震災を経験し、今は神戸から離れて暮らしている男女2人が、1/16に神戸で偶然出会い、夜通し街を歩きながら色んな話をする、と…

お休みに入ったので映画を観まくった 無言歌の巻

4本目:『無言歌』 毛沢東時代の中国で、体制批判をしたと見なされた(実際に批判をした人もいれば、無実や陰謀で有罪になった場合もある)人が送られた再教育収容所を舞台にした話。 1956年に言論の自由が推奨され、人々の積極的な発言を促していたのが、翌…

お休みに入ったので映画を観まくった サラの鍵の巻

3本目:『サラの鍵』 教訓:自分の名前を相手に知らせること、および、相手の名前を知ることは、とても重要な方策。 フランス国家主導のユダヤ人迫害についての映画。 なんだか「つらい時代」についての話が続くな。これも、そもそもそんなことさえなければ…

お休みに入ったので映画を観まくった CUTの巻

2本目:『CUT』 劇場には監督本人(アミール・ナデリ)が来ていて、観客として来ていた可愛い女の子とのツーショ撮影に引っ張りだこだった。監督も女の子たちもかわいかった。ほのぼの。 ストーリーは、映画マニアの主人公が、兄の遺した借金返済のために殴…