去年はあまりにも記録しな過ぎたので今年はここに読了本を。
嘘の木 - フランシス・ハーディング/児玉敦子 訳|東京創元社 (tsogen.co.jp)
19世紀英国が舞台。博物学者の父親が密かに遺した「人間の嘘を養分にして、真実を見せる果実をつける木」と、彼の死の真相について探る少女のお話。
気軽に読めるヤングアダルト向けのファンタジーミステリーかなと思ったのだが、あからさまに「頑張れ女の子!」もので、抑圧され無名化されてきた女性を応援する意図が前に出過ぎていて若干うっとおしかった。昔『アリーテ姫』を読んだ時の印象と似ている。
遺体の写真を撮る習慣は面白かった。亡くなった後で、遺体を生きてるみたいに椅子に座らせたりポーズを取らせたりして家族写真を撮り、写真屋さんが目を書き足す。ポストモーテム・フォトグラフィーと言い、19世紀英国で流行っていたらしい。そういう写真のコレクターもいるのだろう。