アルゼンチンでアナ雪を超える大ヒット、歴代興収新記録、製作がアルモドバル、驚愕と爆笑の渦に襲われる…とのことで、なんか凄そうなので予告編も観ずに出かけた。
始まってみたらオムニバスだった。愉快な小話集ですかね、なるほど。
各ストーリーとコメントは以下の通り。
1. おかえし
とある男を知っている人ばかりが飛行機に乗り合わせる話。
多分何もなかったらもっと笑えてた。この映画の現地公開は2014年8月。実際の事件は2015年。現実は恐い。
2. おもてなし
レストランで接客した相手が、憎き父親の敵だったという話。
何故キミがそこまで!という展開に、あーこれ全体的にニヤリ系じゃなくて過剰な感じなんだろうなと思い始める。
3. エンスト
新車で山の中の道を運転中、トロくさい上にウザい車を追い越し際に悪態をついたのが運の尽きな話。
アルゼンチン版『走る取的』(筒井康隆)だね!と思う。もちろんアルゼンチン版なのでアクションもリアクションもクドい。これで、やっぱり過剰さに覚悟しないと、と確信する。
4. ヒーローになるために
駐禁レッカー移動と戦うあまり、仕事はクビになるわ離婚は言い渡されるわの男の話。
これは同じ様な怒りを胸に秘めたアルゼンチン国民の声を代弁しているのかしら。自分の目には戦い方がやり過ぎだと思うけれど、現地では「そうそうそうそう!」「がんばれ!」って皆思うのかも。
で、全体的に庶民視点の作品なのかなー…と思いつつ次へ。
5. 愚息
金持ちのバカ息子が轢き逃げ死亡事件を起こし、親が揉み消そうと画策する話。
大金を積んで検察と取引まで始めたので、庶民視点ならこのムカつく金持ちがコテンパンにされるはず!早く!ざまぁ!と期待して観ていたら、なにこれどういうこと!な終わり方にびっくり。
後味いまいち。庶民の味方って訳でもないわけですね。
6. Happy Wedding
結婚式の最中に花婿の浮気相手を来賓の中に発見し、花嫁が怒り狂う話。
花嫁がやることなすことちょっと長くておなかいっぱい。でもアルゼンチンの結婚式ってこういうのなんだ!というのが眺められていて、海外の冠婚葬祭好きとしては満足。
関係ないけど花嫁役の女優さんのにきび(?)が気になってしまった。
クドいなー、こういのが好きなのか、アルゼンチンの人って…と思ったものの、英語タイトルがWild Talesで、スペイン語の原題Relatos salvajesも自動翻訳するとそのような意味らしいので、あちら的にも荒々しい話なんでしょうかね。