映画とどこかまで行こう

主に観た映画の感想を。新作・旧作、劇場・DVD鑑賞混じります。時々テレビドラマも。

怪獣・ロボット愛はなくってもパシフィック・リム

週末時々、自転車で30分くらいの所にあるシネコンにレイトショー観に行く。
週末のレイトショーだから、どーん!と楽しい、帰って良く眠れそうな奴がいい。
かくしてパシフィック・リム。特に特撮やロボットアニメに思い入れはないけれど。

ところで本作、なんだかファンが面倒くさくて、「これはロボット&怪獣好き男子のための物だ!女子供は観るな!」みたいな意見が出ていたり。
ロボット&怪獣モノってそもそもは子供が観るものだった。子供の時にそのジャンルを観てわくわくしてたのに、成長してパシリムに「子供は観るな!」とは、なんともツマんない大人になってしまったものである。
個人的にはスタートレックの方が「素人は観るな!」な意見がありそうと思っていたけれどそんなことはなく。たぶんスタトレのファンの皆さんは今までのファン人生、色んなことがあり過ぎ鍛えられているのだろう。一方ロボット&怪獣好きの皆さんは、ようやく「これぞ俺たちの映画だ!」という作品が現れて興奮し過ぎたのかもね?

前置きが長くなった。
そういう訳で、お好きな皆さんからは怒られそうな私も観てしまったが、とても楽しかった。
怪獣がどんどん襲って来る世界で、各国が協力してロボットを開発するも…!という世界設定が駆け足で、そして上手に語られて、あっという間に気持ちは物語の中へ。
何でもかんでもどーん!と大きくて、画に実に重みと迫力があって、そんなにしんみりぐずぐずせずにどんどん話が進んで行く。
「ロボットを操縦するのは2人の人間」というのは、相手の思考に入れてしまう以上、かなりパートナー探しが難しそうで、現実的でないような…と思ったのだが、その設定だからこそ、めそめそした身の上話などなくとも相手のつらい過去や気持ちをさっくり分かり合えて、映画の展開上、大変都合が良かった。

しかし私が一番ぐっときたのは、巨大ロボットでも怪獣でもロボットを操縦するヒーローヒロインでもなく、方向性の違う二人のオタク(怪獣好きと計算好き)。
彼らの結構大事な活躍には、一番胸がしめつけられた。大体、肉体派の仲悪い男子同士より、全く違う種類のオタクが意気投合する方が希有ではと思うし!(肉体は殴り合って笑ってOKだけどね!)。
結構ね、人知れず頑張るオタクがかなりの割合で地球を救ってると思うよ、実際のところも。

そんなこんなで、週末の夜にぴったりの映画だった。

その後、Twitterでファンが各国のイェーガーのアイディアを嬉々として挙げているのを微笑ましく眺めた。こういうので世界平和が図れないものだろうか。
それぞれ自国のイェーガーのアイディア出して、テレビシリーズで一話一国担当で戦って、最後のクライマックスは全世界のロボットがひとつに…いやいや、やっぱ仮想敵がないとまとまらないってのも残念かな…。でもそれでも…!

観終わってからも色々妄想が止まらないってだけで、この作品の勝ち。

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