映画とどこかまで行こう

主に観た映画の感想を。新作・旧作、劇場・DVD鑑賞混じります。時々テレビドラマも。

最近観た映画めも

忘れちゃうので印象メモ
最近はラピュタ阿佐ヶ谷伊藤雄之助特集に通い始めたところ。


-アジョシ


子役は『冬の小鳥』の子。
ウォンビンのことは『母なる証明』で知って、何か小出恵介みたいな顔の人、という認識。あの作品での演技はとても良かったと思うので(母ちゃんがあまりに凄過ぎて霞んだが)、本作で「脱アイドル」と言われているとは意外。もう「脱」できてるように思った。あと20年位したら好みのタイプになるかも知れない。待てないが。
韓国映画の容赦のなさがギリギリで寸止めされていて、残酷になりそうなシーンも顔を覆わず安心して観ていられた。アイドル映画(いい意味で)と情け容赦ない系の韓国映画のナイスミックス。
ゴルフ練習場でネットの上に落ちる場面が不思議で綺麗で、あの場面が観られただけで満足。
イカレポンチな悪者兄弟の弟の方の顔が印象的で、観ていて面白かった。
主人公が亡くなった奥さんの墓参りに行くのだが、納骨堂みたいな場所で、ちょっと安っぽいオレンジ色のロッカーみたいな棚に、遺骨と写真と遺品が入ってるのにびっくり。ああいうのが韓国のお墓文化では主流なのかな。「サマリア」では日本のに近い墓地が出て来てたけれど、田舎と都市部で違うのかな。


-カンパニー・メン


トミー・リー・ジョーンズクリス・クーパーが好きなので、たっぷり彼らが眺められただけで大満足で、映画の甲乙なんて二の次どころか三の次。
でも我に返ると、この映画って解決策が極端で、同じような境遇の人を励ます力はないし、世相は何となく表れているにしても、ちょっと誰得?という気はする。
アメリカの転職システムはちょっと面白かった。首にした会社が臨時オフィスみたいのを借り上げてくれるのかね。


-モテキ


ドラマを観ていたので、序盤でバーン!とテーマ曲がかかった時のわくわく感がハンパなかった。ドラマの映画化ってあまり観ないけれど、こういうのって大事なんだなぁ。映画『ハゲタカ』でも「買い叩く!買い叩く!買い叩く!」でアドレナリンががーっと出たみたいな。
作り手の大サービスっぷりがクドくはあったけれど。そして主人公にはカケラも共感できないけれど。
それでもかなり!結構!楽しかった。
ただ、もうちょっと麻生久美子のウザ女の役柄を掘り下げてたらより面白かったのに。「B'zとか好きな輩がリキッドルームに現れる時点でウザイ」のだろうか?分かり辛い…。

ラストは逃げた時点で脈ありと思うけれど。
気づいたら刺された後の病院のベッドで、「モテキよぉぉ」…でテーマ曲に戻るってオチかと思って眺めていたが違った。
あと長澤まさみが素晴らしく可愛かった。昔この人苦手だったのだが、ドラマの『Gold』(これ自体は地獄のようにツマらなかったが)でやってた自意識過剰のバカ女(でも根はいい奴)がかなり似合っていて、かなりポイントアップしていたのが、もうこれは好きになれたかも知れない!と思えた。可愛かったし、美脚が!美脚がもう…!
彼女が「I Love TENGA」とかってTシャツを借りて着たシーンで笑いが起きていたので、なんだろうと調べて後悔した。不必要な知識っていうのは、ある。


-大番頭小番頭


シネマヴェーラでやった時に見逃していたのをようやく。ぼんぼん役の雄之助がかわいかったし、池部良も好きなので、楽しかった。
唐突感のある雪村いづみ(何故か急に歌い踊る場面がある)の存在に、『クローズZERO』の黒木メイサを思い出した。いらんだろう。でもねじ込まねばならなかったんだろう。


-警察日記


観ている間中、イライラしていた。
雄之助特集ということで、雄之助目当てで来ているのに、冒頭失恋して酔っぱらって道に寝ただけで、後はさっぱり出てこないのだ(結局、ラストでちょっと出て来ただけであった)。
でも終わった後で思い返すと、実にいい映画なの。戦後の貧乏な時代で、捨て子だの身売りだの食い逃げだの泥棒だの、酷いことばかりが起こるのに、人がのほほんとしてて気が良くて、森繁久彌演じるお巡りさんなんて、捨て子をウチに連れて帰って、「子供ごろごろいるんだから、5人も6人も同じだし、ウチで育てるか」とか言うのである。
人の気持ちに強さと余裕があって、色々大変だろうけど、でも大丈夫!という気分になる。(「かあちゃん」とか「木靴の樹」で感じたあの感じ。ああ、この特集でどうして「かあちゃん」やらないんだろう!)
せっかくいい映画だったんだから、きちんと楽しめば良かった。いくら雄之助特集とはいえ、何事も極端に走らず、映画自体を楽しむスタンスで観なければならない、と、自分を戒めた。


-背広の忍者


雄之助が悪役なのである。もう雄之助が悪人顔でゲヘゲヘ作戦立てて、それを追いつめようとする主人公の前でふんぞり返って平気な顔をしてるだけで、わくわくするのである。
だから、雄之助が不利になると、もうドキドキしてしまって、主人公に対して恨めしい気持ちになってしまう。
この映画での田宮二郎(主演)は私に取ってはムカつく敵であり、妙てけれんな飛び蹴りを見せて失笑を買っていた輩である。